クラウド会計・経費精算

電子帳簿保存法の対応手順|中小企業が最低限やるべき5ステップ【2026年】

※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。詳細は広告・PR表記ポリシーをご覧ください。

「電子帳簿保存法、対応しないといけないのは分かるけれど、結局うちは何をすればいいのか」——この状態のまま数年が過ぎている会社は珍しくありません。

まず、次の3つに当てはまるか確認してください。

  • 取引先からPDFの請求書や領収書をメールで受け取っている
  • Amazonや楽天などのWeb明細をダウンロードしている
  • ネットバンキングの取引明細を画面から取得している

1つでも当てはまるなら対応が必要です。そして、この記事を読む価値があります。
逆に、紙の請求書しか受け取っていない会社は、義務としての対応は発生しません(それでも該当する会社はほぼありませんが)。

この記事では、中小企業が「最低限これだけやれば要件を満たす」ラインを5ステップに分けて示します。
会計ソフトを買い替える必要も、高額なシステムを入れる必要もありません。

補足


制度の一般的な考え方を実務目線で整理したものです。自社の売上規模や取引実態によって必要な対応は変わるため、最終的な判断は顧問税理士・所轄税務署にご確認ください。

全体像:やることは5ステップ、うち3つは「決めるだけ」

[図解] 電子帳簿保存法 対応の5ステップ

実費が発生しうるのはSTEP 3だけで、それも選び方によっては0円で済みます。
「対応=システム導入」と思い込んで止まっているケースが非常に多いのですが、実際にはルールを決めて運用するのが本体です。


STEP 1:自社が対象か、免除に当たるかを確認する(30分)

義務なのは「電子取引データの電子保存」だけ

電子帳簿保存法には3つの区分がありますが、義務なのは「電子取引データ保存」の1つだけです。

区分内容義務/任意
電子帳簿等保存自社が会計ソフトで作った帳簿を電子のまま保存任意
スキャナ保存紙で受け取った書類をスキャンして保存任意
電子取引データ保存電子でやり取りした書類を電子のまま保存義務

つまり、紙で受け取った請求書をわざわざスキャンする必要はありません(やってもよいが任意)。
紙は紙のまま保管して構いません。

検索要件が免除される会社

原則では「日付・金額・取引先」で検索できる状態が求められますが、基準期間(2課税年度前)の売上高が5,000万円以下の会社は、この検索要件が免除されます(税務調査でデータのダウンロードの求めに応じることが前提)。
以前は1,000万円以下でしたが、対象が大きく広がりました。

ポイント


売上5,000万円以下の会社は、実質「電子データを消さずに保存しておく」だけで要件を満たせます。専用システムは不要です。まずは自社の基準期間の売上を確認してください。

さらに、相当の理由があってシステム対応が間に合わない場合の猶予措置もあります。税務調査時にデータのダウンロードの求めと、出力書面の提示に応じられるなら、保存時の要件は問われません


STEP 2:電子で受け取っている書類を洗い出す(1時間)

対象になるのは「電子でやり取りした、紙なら保存が必要な書類」です。
具体的には次のようなものです。

  • メールに添付されたPDFの請求書・領収書・見積書・注文書
  • ECサイト・SaaSの管理画面からダウンロードする利用明細・領収書
  • クレジットカードのWeb明細、ネットバンキングの取引明細
  • 電子契約サービスで締結した契約書

洗い出しの実務は、「誰の」「どのメールアドレスに」「何が」届いているかを一覧にするだけです。
ここで多くの会社が気づくのは、経理が把握していない請求書が現場担当者のメールに届いているという事実です。

注意


この棚卸しを飛ばすと対応が崩れます。「経理宛に来ているものだけ」を保存しても、営業担当のメールに届いたSaaSの領収書が漏れていれば要件を満たしません。

STEP 3:改ざん防止の方法を1つ選ぶ(30分)

改ざん防止(真実性の確保)は、次の3つのうちどれか1つを満たせば足ります。

方法費用向いている会社
① 訂正削除の履歴が残るシステムに保存する会計ソフト等に含むすでにクラウド会計を使っている
② タイムスタンプを付与する有料サービス取引量が多く厳密に運用したい
事務処理規程を定めて運用する0円まず最低限の対応を済ませたい

いちばん現実的なのは③の事務処理規程です。
国税庁がサンプルを公開しており、自社名と日付を入れて社内で運用すれば要件を満たせます。
費用はかかりません。

一方、すでにfreeeやマネーフォワードなどのクラウド会計を使っているなら、①がそのまま使えます
証憑をソフト内に保存すれば、訂正削除の履歴が自動的に残るためです。
会計ソフト側の対応状況は電子帳簿保存法対応の会計ソフトおすすめ比較で比較しています。

freee会計の電帳法対応を確認する →


よくある質問(ここまでで出やすい疑問)

Q. PDFを印刷して紙のファイルに綴じるのではダメですか? A. 電子で受け取ったものは電子のまま保存する必要があります
印刷して紙で保管しても、電子データを消してしまうと要件を満たしません。
紙で保管したい場合は「電子データも残したうえで、紙は補助的に使う」形にしてください。

Q. 保存先はクラウドでなくPCのフォルダでもいいですか? A. 構いません。検索要件が免除される規模なら、共有フォルダに保存するだけでも要件は満たせます
ただし担当者の個人PCに保存すると、退職・故障で消える実務リスクがあるため、共有ドライブを推奨します。

Q. どれくらいの期間、保存が必要ですか? A. 法人税法上、原則として7年間(欠損金が生じた事業年度は10年間)です。

Q. 対応していないと何が起きますか? A. ただちに罰則が科されるわけではありませんが、保存義務違反として青色申告の承認取消の対象になり得ます
また税務調査で証憑を提示できなければ、経費として認められないリスクがあります。


💬 自社の対応方針を30分で整理したい方へ — 運営者が無料相談(オンライン30分)で「決めるだけの3つ」の壁打ちをお手伝いしています。

STEP 4:保存場所とファイル名のルールを決める(1時間)

契約書を電子で締結する場合も同じ保存要件の対象になります。サービス選びと費用は電子契約サービスの比較と費用相場|送信件数別の実額【2026年】で整理しています。

検索要件が必要な会社(売上5,000万円超)は、「日付・金額・取引先」で探せる状態を作ります。
専用システムがなくても、ファイル名の付け方で対応できます。

` 20260805_110000_マネーフォワード.pdf (取引年月日_金額_取引先) `

この命名規則で共有フォルダに入れておけば、OSの検索機能で3項目とも探せるため要件を満たします。
索引簿(Excel一覧)を作る方法もありますが、更新が続かず形骸化しやすいので、ファイル名方式のほうが実務的です。

決めるのは次の3点だけです。

  • 保存場所:どの共有フォルダに置くか(部署別ではなく年度別が管理しやすい)
  • ファイル名:上記の命名規則
  • 保存する人:受け取った本人が保存するのか、経理に転送するのか

ポイント


「受け取った本人が、その場で保存する」がいちばん漏れません。経理に転送する運用は、転送忘れが必ず起きます。

STEP 5:社内に周知して運用を開始する(1週間)

申請・承認の流れそのものを電子化する場合の費用感は、ワークフローシステムの費用相場と比較|1人月500〜1,800円【2026年】で人数別に計算しています。

最後は運用です。
周知すべきことは3つに絞ります。

  • PDFの請求書・領収書が届いたら、印刷せずに指定フォルダへ保存する
  • ファイル名は「日付_金額_取引先」で付ける
  • 迷ったら経理に聞く(自己判断で消さない)

「消さない」がいちばん重要です。
要件を完璧に満たしていなくても、データが残っていれば後から整えられます。
逆に消してしまうと復元できません。

つまずきやすい4つのポイント

[図解] 電帳法対応でつまずく4つのポイント

次にやること

この記事を読み終えたら、順に手を動かしてください。

  • [ ] 今日:基準期間(2課税年度前)の売上高を確認し、検索要件の免除に当たるか判定する
  • [ ] 今週:電子で受け取っている書類を洗い出し、誰のメールに何が届いているかを一覧にする
  • [ ] 今週:改ざん防止の方法を1つ選ぶ(迷ったら事務処理規程=0円)
  • [ ] 来週:保存フォルダとファイル名のルールを決め、社内に3点だけ周知する
  • [ ] 来月:請求書の受け取り自体を電子に寄せられないか検討する

最後の項目まで進めると、法対応が「作業を減らす取り組み」に変わります。
受け取り側の効率化は請求書管理システム比較|受け取った請求書の処理を電子化する5選、自社が発行する側は請求書の電子化の進め方|中小企業の5ステップと取引先への依頼文例で解説しています。

会計ソフト側の対応から入りたい場合は、電子帳簿保存法対応の会計ソフトおすすめ比較会計ソフトの費用相場|中小企業の月額料金と3社の実額比較が参考になります。

マネーフォワード クラウドの料金を見る →

導入の相談窓口


記事を読んでも自社に合うツールを決めきれない場合は、運営者が直接支援するAI導入支援サービス(無料相談あり)もご利用いただけます。貴社の側に立って選定から社内定着まで伴走し、無料相談では最初に手をつける1業務を決めるところまで一緒に整理します。
  • この記事を書いた人

ビズヒロ

「業務AIナビ」のナビゲーター。中小企業の現場で本当に使えるAI・業務効率化ツールを、料金・機能・データの安全性まで法人目線で徹底比較しています。「結局どれを選べばいい?」に最短で答えることを目標に、忙しい経営者・担当者のツール選びをわかりやすくサポートします。

-クラウド会計・経費精算